アスタロト(以下アスタ)「べリアルよう」
ベリアル(以下ベリ)「どうした?アスタロト」
アスタ「てえたいむって、何か出し物は出ないのかよ」
ベリ「出し物か、なら何かやろうか?」

アモン「何か、ねぇ…」
ベリ「アスモデウス!アスタロトの要望だ、三回まわってワンと鳴け!」
アスモデウス(以下アスモ)「ふざけないで下さい、アスタロト…ゲームに興味はありませんか?」
アスタ「ある」
アスモ「なら私が用意してあげましょう、ご覧なさい」

アスタ「アスモデウス、こいつは簡単なのか?」
アスモ「ええ簡単ですよ、サイコロを振って出目の通りにコマを進めるんです」
アモン「ああ、ボードゲームって奴ネ。私も好きよ」
ベリ「ボードゲームか…ふふふ、良いだろう」

アスモ「では各人、駒を取って下さい」
アモン「どれも使いたくない駒ばっかねー…じゃ私、コレ」
アスタ「俺はこいつだ!」
ベリ「俺はこれにしよう」
アモン「べリアル!それサキュバスよ、あんた本当に女好きね!」
ベリ「アモンが人気の駒を取るから消去法でだよ?ほら、アスモデウスも取れ」
アスモ「…私はこれにしましょう、次は順番ですね」

アスモ「陛下、一番手は貴方がお願いいたします」
ベリ「いやいやアスモデウス、君が一番手になりたまえ」
アスモ「そんな、私にはとても勤まりません…ここは悪魔王たる貴方が一番手に」
アスタ「…何してんだあいつら」
アモン「腹黒同士の会話って何であんなにドス黒いのかしら、先に決めちゃいましょ」
アスタ「ああ、俺が一番な!」
アモン「バカね、私が一番よ!」
アスタ「なんだと!?」

ベリ「ああ、アスモデウス。俺がわざわざ君に譲ると言っているのに何故断るんだい?」
アスモ「陛下こそ、我等三大魔王を統率される方だと言うのに引き下がられるなんて…おや」
アモン「私よ!」
アスタ「俺だ!!」
ベリ「…君達」
アモン「ハッ…!?」
ベリ「君達は争わなくていい」

アスタ「ん?譲り合ってるんじゃなかったのか」
アモン「あれがあの二人の争いよ、アスタロト」
アスモ「…埒があきません、じゃんけんで決めましょう」
アモン「じゃんけんね…」
アスモ「陛下が一番手になって下さればこうならなかったんです、行きますよ!」
アスタ「ああ!じゃんけん…」

ベリ「待て」
アスモ「何ですか!?」
ベリ「アスタロト、君が一番手になれ」
アモン「は!?私が一番よ!さっきそれで争ってたのに、キザ野郎が突っ込まないで!!」
ベリ「じゃあ…アスタロトと君で、じゃんけんで一番手と二番手を争ってはどうだ?」
アモン「そ、そうか!その手が!」
アスタ「よし!アモン、負けねぇぞ!」
アモン「私だって!!」
ベリ「…ふふふ、アスモデウス、これで俺は三番手か四番手だ。君はどちらを選ぶ?」
アスモ「…少しでも貴方の手の内が読める順番になることを祈りましょう」

アスタ「ハッハッハ!一番!俺が一番だあああっ!!」
アモン「くうぅっ…何でよ!何でアスタロトが一番なのよ!?」
ベリ「やあ、ようやく順番が決まったようだね」
アモン「べリアル…あんたは何番になったの」
ベリ「俺は三番、アスモデウスが四番…残念だねぇ」
アスタ「何が残念なんだ?」
アスモ「お陰で最悪の事態だけは防げましたよ。アスタロト…貴方が一番なのでしょう、サイコロを降りなさい」
アスタ「おう!」

-

ベリ「アスタロトのマスは?」
アモン「トラブルマス?えーと…説明文は」
ベリ「獣が縄張りに踏み入った、己が迂闊さを悔いろ」
アスタ「迂闊さを悔いろ?一体何の獣が…ギャアアアアア!?」
アモン「アスタロトー!!アスモデウスちょっと!アスタロトがクマに追いかけられてったんだけど!?」
アスモ「大丈夫でしょう、所詮は魔法も使えぬ獣です」

ベリ「マスに書かれた事が本当に起きるボードゲームか、面白いものを手に入れたものだね」
アスモ「元は普通のボードゲームだったんですが…そのままでは面白くないと
私の魔力を吹き込んだのですよ、トラブルマスには気を付けなさい」
アモン「何が気を付けなさいよ!アスタロトー!?」
アスタ「アモン、このクマ結構旨いぞ」
アモン「クマ撲殺されてる!しかも食ってる!!」
アスタ「一人じゃ食いきれねぇな…バアルにやるか」

アスタ「おいアスモデウス、次は何の肉が来るんだ?猪がいいな」
アスモ「肉を食べるボードゲームではありませんよ、アモンも振りなさい」
アモン「ぎゃっ、私もトラブルマスじゃない!次は何よ!?」
ベリ「何々…落とし物には気を付けろ、天よりお前に落とし物と」
アモン「落とし物!?何が来るのよ、何が…ぐえええ!!」
アスタ「うわ!?アモンが頭から血を!」
ベリ「…一体何が落ちてきたんだ?アモン」
アモン「…血よ、いきなり血の入ったバケツが頭上に」

ベリ「…さて俺はと、腹の内を見せず弄ぶ…もしかして俺の事か?失礼な奴だなぁ」
アモン「全てをさらけ出し、白日の下へと晒せ…自白でもさせるのかしら?効果は…」
ベリ「全く…白日の下だと?俺はいつでもさらけ出してるだろ、ぶつぶつ…」
アモン「べ、べリアル!早脱ぎなんて特技があったの!?全裸よあんた!!」
ベリ「あぁん?…ああ、失礼!どうやら強制的に防御等を解除してしまう効果だったようだ」
アモン「早く服を着なさい!目のやり場に困るじゃない」

バアル「えーと、父上が処分したいクマと言うのは…きゃあああああ!?」
ベリ「あ、バアルちゃん」
バアル「陛下!全裸でボードゲームやるなんて何やってるんですか!?」
ベリ「今着てるじゃないか!ほら!」
バアル「まず下半身を隠して下さい!!父上、申し訳ありませんがクマの処分は頼みましたよ!」
アスタ「あ、バアル!」
アモン「べリアル…まずはパンツから履くのがマナーよ」
ベリ「…自分の番には済むだろう、アスモデウスの番だよ」

アスモ「ふむ、私のマスは…」
ベリ「天に円月、湖面に水月、揺れる月光が汝を癒す」
アモン「癒す?狡いわよ〜自分だけ回復なんて!」
アスタ「そうだ、俺達ばかり痛い目にあって!アスモデウス…アスモデウス!?」
アスモ「…」
ベリ「どうやら深い眠りに落ちたらしいな、自分の番には目が覚めるだろう」
アモン「あー驚いた、癒され過ぎて御臨終したのかと思ったわ」

ベリ「少なくともこのボードゲームで俺達が死ぬ心配はない、さあ…アスタロト、君の番だよ」
アスタ「おう!次はでかい目出してやるぜ」

-

アモン「べリアルー…なんか変よ」
ベリ「何が変なんだ?」
アモン「私とアスタロトがマスに止まる度に遭ってる目は知ってるでしょ?」

ベリ「椅子から転げ落ちる、魔力跳躍の暴発で屋根まで飛ぶ、
笑いが止まらなくなる、頭から花が生える、ハハハハ…頭から花か、ファンシーじゃないか」
アモン「何がファンシーよ!?何であんたとアスモデウスはそんなに的確にトラブルマスだけ回避するの!」

ベリ「運が良いと言う奴ではないかな?俺は偉大だから天のほうが味方するのさ」
アスモ「自惚れないで下さい、貴方がが力を行使している事は知っていますよ」
アスタ「アスモデウス!べリアルの力って…なんだ?」
アスモ「この方は力天使、そして力天使は奇跡を起こす力を持つ…サイコロの出目を操るくらい造作もないでしょう?」
ベリ「よく言うね、君こそサイコロの出目を調整している事は知っているんだよ?」
アスタ「何ぃ!?出目を操る!?どうやってるんだよ!」
アモン「あんたと私には逆立ちしても無理な事よ…アスタロト、こっちに来なさい」

アモン「あのまま行けば確実に、あの腹黒共が勝つでしょうね」
アスタ「ああ、優勝はアスモデウスかべリアルだな」
アモン「それだと面白くない!何よりラスト5ターンに入ったのよ、逆転チャンスはまだあるわ」
アスタ「逆転?どうやって逆転するんだ」
アモン「アスタロト…私と手を組みなさい、二人で腹黒共を何とかするのよ」

アスモ「陛下、私が勝利を譲ってあげても良いのですよ?」
ベリ「いやいや、アスモデウス…俺が優勝するなんて予定調和過ぎるよ。もっと逆転が起きて欲しいものだねぇ?」
アスモ「ならばサイコロの出目を操るのはやめられては?陛下がそうされるなら、私も実力で勝負いたしましょう」
ベリ「…良いだろう、これを封じても俺は君から一本取れる位の実力はあるからね」

ベリ「さて君逹、作戦会議でもしていたのかな?」
アモン「ああ、アスタロトにクマの肉は何処が旨いのかって」
ベリ「ハハハハ…そうか、それより君の番だよ、サイコロを振るがいい」
アモン「わ、わかったわ」

アモン「ふー…トラブルマスじゃなかった、そろそろカードも使おうかしら」
ベリ「さて…俺はっと」
アスタ「べリアル!」
ベリ「ん、何だい?」

ベリ「あっ…!」
アスタ「よっしゃ、成功!」
ベリ「な、何をするんだ!サイコロを振ろうとしていたのに」
アモン「へへへー!それならインチキ出来ないでしょ」
ベリ「見苦しい真似を…しかもトラブルマスじゃないか、ここは何だったかな」
アスモ「落とし物には気を付けろ、天よりお前に落とし物ですね」
ベリ「アモンと同じマスじゃないか!じゃあ効果も…ぐああああっ!?」

アモン「あははははははは!真っ赤!見てアスタロト、バケツ被ってる!!」
アスタ「本当だ、真っ赤だぜ!ハハハハハハ!!」
ベリ「…アスモデウス、サイコロを」
アスモ「あの二人なら後で痛め付けておきます、本当は私がやってやりたかったので」

アモン「いいわよ、アスタロト!この調子で腹黒二人を見返してやりましょう!」
アスタ「ああ、覚悟しろよインチキ野郎ども!!」
ベリ「これはこれは…俺はともかく君まで腹黒と言われるとは、言わない方が良かったね」
アスモ「腹黒の自覚があるなら治されて下さい、私も大人しく負けるつもりはありませんよ」

アモン「何とでも言いなさい!これがラストターン…優勝は私よ!」
アスタ「あ?そういやこのカードなんだ、使ってみるか」
ベリ「ああ…そのカードは」
アモン「な、何ぃぃ!?」

アモン「わ、私の駒が!アスタロトの野郎に吹っ飛ばされちゃったわー!!」
アスタ「へー…こういうカードだったのか、じゃアモンお先に」
アモン「ああー!?」
ベリ「目標地に到達…これでアスタロトの優勝が確定したね」
アモン「べリアル…あんたの入れ知恵よ、絶対そうよ」
ベリ「俺は入れ知恵なんかしないさ、ボードゲームは公平に行うものだ」
アスモ「ここまで嘘を吐かれると潔いですね、私のターンもこれで終了…結果発表と行きましょうか」

アスモ「優勝はアスタロト」
アスタ「よっしゃあああっ!!今日は祝杯だあああ!」
アスモ「二位はべリアル陛下」
ベリ「一歩及ばず、か…」
アスモ「三位は私、アスモデウス…そして貴方が最下位です、アモン」
アモン「アスタロトがカード使わなきゃ私が優勝してたのに…」
ベリ「気を落とすな。最下位と言っても毎ターン順位が変動する大接戦だったじゃないか、君も好敵手と認めよう」
アモン「…一位か二位を保ってた奴に褒められてもね」

アスタ「べリアル、ボードゲームって面白いな!またやろうぜ」
ベリ「ああ、いつでも相手をしてあげよう」
アスモ「…陛下とはやめた方がいいと思いますよ」
ベリ「アモンも、これを機にボードゲームをやることはいかがかな?」
アモン「キイイィッ!スカした態度がムカつく!!ボードゲームなんか大嫌いよ!!」

アスタ「あっ…サイコロ!」
ベリ「おや…この出目はトラブルマスじゃないか…何々、落とし物には気を付けろ、天よりお前に落とし物と」
アモン「また血バケツ!!ええいっ、あんたも被るのよ!」
ベリ「待て!何で俺まで一緒に被る必要が…ぐああああ!?」
アモン「ギャアアアアア!!」

アスモ「…今度はもっと簡単なゲームにしましょう」

inserted by FC2 system